抄録
社会の高齢化に伴い,加齢により生ずる機能異常,健康障害,疾患に対する対策が急務となっている.動脈硬化症,認知症,骨粗鬆症をはじめとする老年病等の疾患は,それが確定した段階から介入する立場をとると,健康な状態に復帰するために困難が伴うことが多い.そこで,疾患にいたる以前の状態から,予防医学の考えを取り入れて,加齢に伴う機能異常ならびに健康障害にブレーキをかけていく,抗加齢,すなわちアンチエイジングの考えが21世紀に入り脚光を浴びている.一方で,加齢に伴う現象は正常な変化であることを受け入れ,病的な障害を最小限とし,社会的,心理的にも満足がいく状況が望ましいとするサクセスフルエイジングという考えも注目されている.どちらの立場も健康長寿を目指すことに変わりなく,その科学的根拠の基づく実証が求められている.