日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
シンポジウム2:高齢者の「サルコペニア」ならびに「虚弱」とその対策
4.虚弱・サルコペニアへの介入研究
金 憲経
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2012 年 49 巻 6 号 p. 726-730

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抄録

虚弱に対する運動介入の効果,サルコペニアに対する運動,栄養補充の効果を検証するために,75歳以上の地域在住虚弱高齢者131名をRCTにより運動群66名,対照群65名に割り付け,運動群には週2回1回当たり60分間の運動指導を3カ月間行った.さらに,75歳以上のサルコペニア高齢者155名をRCTにより運動+アミノ酸群38名,運動群39名,アミノ酸群39名,対照群39名を配置し,運動群には週2回,1回当たり60分の運動指導を3カ月間,アミノ酸群にはロイシン高配合の必須アミノ酸を一日6 g補充する指導を3カ月間実施した.虚弱高齢者は正常群に比べて筋肉量,BMD,膝伸展力,歩行速度は低い値を示したが,痛み,転倒率,骨粗鬆症既往の割合は高かった.虚弱高齢者に対する運動指導によって,BMC,握力が有意に改善された.サルコペニア高齢者に対する介入効果は,四肢の筋量と歩行速度は運動群,アミノ酸補充群,運動+アミノ酸補充群で有意に改善されたが,筋力は運動+アミノ酸補充群のみで有意に改善された.これらの結果をまとめると,運動指導によって虚弱高齢者のBMCや筋力は有意に改善されたが,サルコペニア高齢者の筋量や筋力アップのためには運動+必須アミノ酸補充の介入が有効であることが強く示唆された.

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© 2012 一般社団法人 日本老年医学会
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