日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
高齢者の循環器診療update
2.高齢者心不全―左室駆出率の保たれた心不全を中心に―
奥村 貴裕室原 豊明
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2018 年 55 巻 1 号 p. 34-40

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抄録

高齢社会の進行とともに,心不全患者は激増し,パンデミックと形容されるに至った.高齢者心不全の特徴のひとつは,拡張障害に病態の首座をもつ左室駆出率が保たれた心不全(Heart failure with preserved ejection fraction:HFpEF)である.残念ながら,これまでの大規模臨床試験の結果からは,HFpEFに対する有用な薬物治療は確立していない.HFpEFの病態はheterogeneousであることが推察されており,個々の症例の病態を明確にしたうえで,テーラーメイドな治療方針を立てることが望まれる.

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© 2018 一般社団法人 日本老年医学会
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