日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
症例報告
画像検査や身体所見で異常を認めず側頭動脈生検で巨細胞性動脈炎と診断できた高齢者不明熱の1例
田口 宏和, 藤田 将平, 山下 大祐, 清水 祐里, 大村 浩一郎, 西岡 弘晶
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2022 年 59 巻 2 号 p. 233-236

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抄録

超高齢社会である我が国では不明熱を呈する高齢者を診療する機会が増えている.巨細胞性動脈炎は高齢者の不明熱の鑑別疾患の一つである.今回,身体所見や画像検査で異常所見を認めず,側頭動脈生検で診断できた巨細胞性動脈炎の高齢者の1例を経験し報告する.83歳男性に2カ月前から続く発熱,炎症反応高値があり,近医で抗菌薬や解熱鎮痛薬で治療を受けたが改善せず,当院を受診した.身体所見や画像検査で熱源を示唆する異常所見を認めなかったが,高齢者の不明熱の精査として側頭動脈生検を行い,動脈外膜周囲への炎症細胞浸潤や内弾性板の不明瞭化を認め,巨細胞性動脈炎と診断した.プレドニゾロン内服で治療を行い,症状や炎症反応高値は速やかに改善した.巨細胞性動脈炎の診断は側頭動脈生検を行い血管の炎症所見を確認することがゴールドスタンダードとされてきたが,生検の侵襲性や感度が手技レベルに左右されることなどから,近年は画像検査により診断されることも増えている.超音波検査,MRI,PET-CTなどの画像検査の感度は生検とほぼ同程度である.しかし本症例のように画像検査で異常所見を認めず,生検で巨細胞性動脈炎と診断できる場合もあり,画像診断が著しく進歩した今も,不明熱を呈する高齢者の診療において側頭動脈生検は重要な検査であると思われた.

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© 2022 一般社団法人 日本老年医学会
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