日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
老年医学の展望
抗アミロイド抗体療法時代の認知症の診断・治療
篠原 もえ子, 小野 賢二郎
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2026 年 63 巻 1 号 p. 7-13

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抄録

わが国では,高齢化とともに認知症高齢者が増え,社会問題となっている.認知症の原因疾患で最も多いアルツハイマー病ではまず,脳内にアミロイド異常凝集が生じ,神経原線維変化や神経細胞死が生じるとされているため(アミロイド仮説),抗アミロイド抗体薬治療は疾患修飾薬として大きな期待が寄せられている.抗アミロイド抗体であるレカネマブやドナネマブは,アルツハイマー病による軽度認知障害と軽度認知症の患者を対象とした治療薬である.

抗アミロイド抗体治療の適応を判断するための検査として,認知機能検査,頭部MRI,アミロイドPETまたは脳脊髄液アミロイドβ濃度測定が必須で,治療開始後はアミロイド関連画像異常のモニタリングのため,頻繁に頭部MRI検査を実施することが求められる.アミロイド関連画像異常など,抗アミロイド抗体薬の副作用は治療開始6カ月以内に多い.特にアポリポ蛋白E遺伝子ε4保有者では,アミロイド関連画像異常の副作用が多いことから使用にあたっては注意が必要である.レカネマブ,ドナネマブともにタウ蓄積が少ないより早期のアルツハイマー病患者で治療効果が高いとされており,今後は,より早期のアルツハイマー病患者に対する診断と治療の重要性が一層高まると考えられる.

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