日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
総説
ポリファーマシー最前線:高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2025の主要改訂点
小島 太郎
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2026 年 63 巻 2 号 p. 79-85

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抄録

高齢者におけるポリファーマシー(多剤服用)は,薬物有害事象のリスクを高める重要な問題であり,この背景を受けて日本老年医学会は2025年7月に「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2025」を発刊した.このガイドラインでは,高齢患者に対するポリファーマシー対策のための一助となるべく,特にリスクの大きい薬物についての見直しのための方策を示している.高齢者に対する処方を見直すうえで,高齢者総合機能評価(CGA)が重要な役割を果たすとされ,高齢者のADL(日常生活動作)や認知機能,生活環境を評価するもので,多職種が協力して行うことが望ましい.問題項目を簡便にスクリーニングできるCGA7により多くの患者に対し評価されることが望まれている.本ガイドラインでは,12の領域にわたる治療薬の評価が行われており,特に慎重な投与を要する薬物や開始を考慮すべき薬物のリストが作成されており,とりわけ薬剤を変更する際の一助として示されている.とりわけ医療者が非専門領域での治療を行う際にこのガイドラインが役立つことが期待される.さらに,薬物の減量や減薬を行う際のステップを示したフローチャートが提供されており,特に慎重な投与が求められる薬物についての使用方法も示されている.これにより,高齢者の安全な薬物療法の実現に向けた具体的な指針が提供されている.このように,高齢者の薬物療法においては,リスクの評価と適切な処方の見直しが不可欠であり,ガイドラインに基づく十分な薬物見直しの実践ができ,高齢者の健康を守るためにも適用されたい.

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