抄録
60歳以上の老年者の連続剖検3,000例中に先天性半月弁数異常を計32例 (1.06%) に見出した. そのうち大動脈二尖弁10例 (0.33%), 大動脈四尖弁3例 (0.1%), 肺動脈二尖弁2例 (0.07%), 動脈四尖弁17例 (0.57%) であった. 大動脈二尖弁のうち石灰化大動脈弁狭窄を呈したのは7例で, 弁膜の形態は左右尖からそれぞれ左右冠状動脈の出るもの8例, 両冠状動脈が1つの洞より出るもの2例であった. 大動脈四尖弁は3例とも臨床診断されておらず, 形態的には第4尖は他よりも小さく, 右冠尖と無冠尖の間に存在した.
肺動脈二尖弁2例中1例に拡張期雑音を聴取し, 形態的には左右尖が合一していた. 肺動脈四尖弁は最も高頻度で心雑音は9例に記載があるが本症は診断されなかった. 四尖弁の形態は四尖とも同大のもの3例で, 他は第4尖が小さく, 右尖左尖間に入るもの6例, 左尖前尖間7例, 前尖右尖間1例であった.