老年糖尿病患者のQOL (Quality of life) を評価する目的で, 外来通院中の60歳以上の老年糖尿病患者452例を対象に, 家庭訪問によりQOLに関する面接アンケート調査を行った. 糖尿病の負担感に関して, 症状負担度 (8問), 生活上負担度 (8問), 食事療法負担度 (7問), 治療負担度 (5問),満足度 (4問), 不安度(5問)について質問し, 計37問の質問の得点を合計し, 糖尿病総合負担度スケールを作成した. 糖尿病総合負担度スケールの Cronbach のα係数は0.88で満足すべき信頼度であり, 内部相関も良好であった. 糖尿病総合負担度スケールは老年者のQOLの一つの指標であるフィラデルフィア老年病センター (PGC) モラールスケールと有意 (r=-0.48, p<0.001) の相関を示し, 負担度が増えるほどQOLは低下すると考えられた. 糖尿病総合負担度スケールは老年糖尿病患者のQOL評価に有用であると思われた.