日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
視覚の分子生理学
森 樹郎
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2003 年 40 巻 2 号 p. 101-108

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抄録
視覚は視細胞の杆体 rhodopsin と錐体色素に付加した11-cis-retinal を光が all-trans-retinal に変換することから生じる. この変換が transducin の活性化, cGMP phosphodiesterase の活性化, cGMPの減少, cGMP-gated channel の閉鎖, 視興奮電位の発生という一連の反応を引き起こす. 一方, 活性化した rhodopsin は不活化され, all-trans-retinal は rhodopsin から離れて all-trans-retinol となり, 網膜色素上皮へ輸送されて11-cis-retinol, さらに11-cis-retinal に変換され, 再び視細胞外節に輸送されて rhodopsin を再生する. これら2つの反応経路で機能するタンパクの多くは視細胞の生存維持にとっても不可欠で, その遺伝子異常は網膜色素変性症, 黄斑変性症の原因となる. 本稿の目的はこれらの経路の分子機構についての最近の知見と網膜疾患の病態における意義について概説することにある.
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© 社団法人 日本老年医学会
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