抄録
ベンタプロイド小麥雜種 T. polonicum (2n=28)×T. spelta (2n=42)を兩親に戻交雜し, 832個體に就いて染色體數と稈の充實度並びに穗の密度との關係を研究した. その結果同一組合せのF2に於いて既に報告した結論を一層確かめ得た(Matsumura, 1936 a). 即ち兩形質は染色體數と密接な關係あり, 簡單なメンデル性の分離を行はない。これは兩形質に對する遺傳因子がDゲノムの染色體上に在る爲である。稈の充實度には一因子が關與し, Dゲノムに屬する一つの染色體上に稈を中空とする因子がある。穗の密度は數個の因子により支配され, 之等の因子はDゲノムの各種の染色體上にあつて集積的效果を有するものである。