抄録
[目的] 国内におけるヒーリングタッチの研究動向を概観し,その現状と課題を明らかにする。
[方法]方法は文献研究であり,データベースは医中誌Webを用いた。検索キーワードは「ヒーリングタッチ」とし,設定条件は「会議録除く」とした。解説や総説など,医中誌上で原著論文でないものは除外した。
[結果]ヒーリングタッチの研究は2013年から発表されており,2020年7月までに発表された論文は7編で全て介入研究であり,うち無作為化比較試験2編,準無作為化比較試験1編,実験研究2編,事例検討1編,実態調査1編であった。対象は,健康な成人が6編,患者を対象とした論文は1編であった。今後の課題として,対象者数の少なさと介入期間や回数の少なさが述べられていた。
[考察]2010年に日本語でヒーリングタッチの正規のプログラムを受講できるようになったことにより受講者が増え,研究発表がされるようになった。今後の課題として,適切なサンプルサイズの検討,継続した介入による研究が必要であることが示唆された。