抄録
キャリア構築を考える上で副業や転職は1つのオプションになりえる.しかし,この副業や転職によるキャリア形成が,働く人々の主観的幸福度にどのような影響を与えるかについては未だ不明な部分も多い.そこで本研究では,副業および転職が主観的幸福度に与える影響を明らかにすることを目的とし,社会人を対象としたアンケート調査を行った.はじめに,副業について調べたところ,副業をしていない群の主観的幸福度に比較して,副業をしている群の主観的幸福度は有意な低値を示した.また,副業理由に関しては,「社会に貢献するため」と回答した副業者のみが,副業していない群よりも高い主観的幸福度を示し,その他の副業理由を回答した副業者においては低い主観的幸福度を示した.次に,転職と主観的幸福度およびキャリア満足度との関係について評価した.その結果,転職回数が増えるにしたがって主観的幸福度およびキャリア満足度が低下することが明らかになった.特に,会社や仕事内容,職場の人間関係に対する不満を理由に転職をしたと回答した群では主観的幸福度およびキャリア満足度が低かった.本知見は,副業や転職を含め幸せな働き方を考えるための一助になるものと考えられた.