痛風と核酸代謝
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原著 1
痛風における高血圧に対する相関因子の検討
陳 峙仰山中 寿鎌谷 直之
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2009 年 33 巻 2 号 p. 163-169

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抄録
痛風および高尿酸血症患者は高頻度で高血圧を合併することが知られている.近年いくつかのコホート研究により高尿酸血症は高血圧の独立したリスクファクターと認められているが,高尿酸血症自体によって高血圧が発生するかどうかはまだ議論のあるところである.本研究では,痛風の重症度と高血圧との関連性を検討した.方法は和平医院痛風データベースから26,985名の痛風患者のデータに基づき,高血圧(降圧薬服用歴のあるもの,血圧≧160/95mmHg)の関連因子をロジスティク回帰解析で統計分析した.26,985名の痛風患者のうち,7,152名(26.5%)が高血圧症と判定された.高血圧の関連因子について検討すると,血清尿酸値および発作のあった関節数が高血圧と有意な正相関を示し,既知の関連因子で補正してもその有意性は変わらなかった.痛風の罹病期間,年間発作の回数が7回以上,痛風結節の存在などは高血圧と有意な関連が認められなかった.痛風の重症度と高血圧の関連性を検討したところ,痛風における高血圧には痛風の重症度に関係する一部の因子が関与することが示唆された.
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© 2009 一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
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