痛風と核酸代謝
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原著 3
新規尿酸排出トランスポーターURATv1の尿酸輸送特性の解析
木村 徹安西 尚彦JUTABHA Promsuk三浦 大作遠藤 仁櫻井 裕之
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2009 年 33 巻 2 号 p. 177-183

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抄録
ヒト腎臓の尿酸輸送は,その排泄低下が高尿酸血症発症と関連するため臨床的に重要である.2008年に,我々はグルコーストランスポーターファミリーSLC2A9の遺伝子産物が電位依存性尿酸排出トランスポーターURATv1であることを見出した.同遺伝子に変異を有する患者が腎性低尿酸血症を示すこと,またヒト腎臓においてURATv1は主に近位尿細管基底側膜に存在することから,管腔側でURAT1が尿細管中から取込んだ尿酸の基底側における血管側への出口がURATv1であることを示唆した.そこで我々はURATv1を標的とする新規高尿酸血症治療薬創製を目指し,URATv1による尿酸輸送特性の更なる解析を行った.In vitro 転写法により作成したURATv1 cRNAを,アフリカツメガエル卵毋細胞に発現させURATv1による尿酸の細胞内取込みを測定した.RI標識尿酸の卵母細胞からの排出実験には,cRNA発現卵毋細胞へのマイクロインジェクション法による基質の注入を行い,一定時間経過後の細胞内外の尿酸量を測定し,排泄率を計算した.URATv1による尿酸取込みは,細胞内の酸性化およびアルカリ化により増加したのに対し,その尿酸排出は細胞外pH変化による有意な変化を認めなかった.しかしURATv1による尿酸排出は,細胞外溶液のイオン組成をNa+からK+に置換することにより,またCl-からグルコン酸に置換することにより減少した.またURATv1による尿酸輸送は,尿酸降下薬のベンズブロマロンとNSAIDのインドメタシンによる強い抑制を受け,尿酸降下薬のプロベネシドの抑制は軽度であった.ベンズブロマロンによるIC50は44.4μM,インドメタシンによるそれは56.0μMであった.URATv1の尿酸輸送特性は,URAT1のそれとは異なることから,URATv1は新規尿酸降下薬の分子標的となる可能性が示唆された.
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© 2009 一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
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