痛風と核酸代謝
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原著 2
ベンズブロマロン(ユリノーム®錠)の製造販売後調査 ー使用実態下における副作用発現状況ならびに安全性および有効性に関連する臨床検査値の推移ー
及川 寿浩後藤 祐司佐藤 圭司小嶋 知夫芦澤 広
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2011 年 35 巻 1 号 p. 19-30

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抄録

ベンズブロマロン(ユリノーム®錠)の使用実態下における安全性および有効性を再確認する目的でプロスペクティブに使用成績調査を行った.
安全性解析対象4,659症例中,113症例に144件の副作用が発現し,副作用発現症例率は2.43%であった.主な副作用は,臨床検査値異常が48症例(62件)で,この内,AST増加,ALT増加など肝機能関連の検査値異常が40症例(51件)であった.また,肝障害などの「肝胆道系障害」が 21症例(21件),発疹などの「皮膚および皮下組織障害」が18症例(21件),下痢などの「胃腸障害」が12症例(13件)認められた.
副作用発現症例の層別解析において,副作用発現頻度に影響を及ぼす背景因子は特に認められなかった.
ベンズブロマロン投与開始前に比べて投与後のALT,血清クレアチニン値,eGFR値に特段の変化は認められなかった.
ベンズブロマロン投与後,血清尿酸値はベンズブロマロンの投与量に応じて低下した.また,投与開始前のeGFR値が30mL/min/1.73m2以上の群において,ベンズブロマロン投与後,血清尿酸値は治療目標値である6mg/dL以下に維持されていた.

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© 2011 一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
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