痛風と核酸代謝
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原著 1
食品中プリン体含量および塩基別含有率の比較
金子 希代子福内 友子稲沢 克紀山岡 法子藤森 新
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2015 年 39 巻 1 号 p. 7-21

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抄録

筆者らは以前から食品中のプリン体含量を測定してガイドライン附表などで報告しているが,本論文では新たに測定した品目を加えた292種の食品中プリン体含量を示すとともに量に従って分類し,それらの塩基別(アデニン,グアニン,ヒポキサンチン,キサンチン)含有率を比較した.卵類,果物,乳製品,芋類,穀類,野菜類,きのこ類,大豆製品は,どれも概ね50mg/100gの非常に少ない食品(ランク1)に分類され,主にアデニンとグアニンを含んでいた.肉類,魚類は100mg以上/100gの中程度以上の食品(ランク3)で,ヒポキサンチンを総プリン体の50%以上含むものも多かった.レバー,白子は300mg以上/100gの非常に多い食品(ランク5)であった.光沢のある魚の表面はグアニン結晶でできているが,これらの魚類はグアニンの比率が高かった.ヒポキサンチンは血清尿酸値を上昇させる作用が強く,グアニンはその作用が殆どないことから,総プリン体含量も多めでヒポキサンチンの比率の高い肉類,魚類の摂取は少なめにし,光沢のある魚は食べ過ぎずある程度摂取するのが望ましいと考えられる.卵類,果物,乳製品,芋類,穀類,野菜類,きのこ類,大豆製品はプリン体量も少なく勧められる食材である.

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© 2015 一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
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