痛風と核酸代謝
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原著 5
高尿酸血症・痛風患者への看護師による指導について
戸谷 洋子大山 博司千田 恵宰務 春佳横関 美枝子諸見里 仁大山 恵子内田 広康高木 宜史藤森 新
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2018 年 42 巻 2 号 p. 189-196

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抄録

当院で高尿酸血症・痛風の内服治療を行っている患者208名に対して,Ⅰ服薬,Ⅱ治療,Ⅲ食事に関しての3項目,各項目5問ずつ,合計15問のアンケート調査を行った.管理栄養士が個別に3 回シリーズで指導しているためか,Ⅲの食事についての正解率は全体で88.1%と他の項目に比べて最も高かった.Ⅰの服薬については全体正解率が57.2%と3項目中で最も低く,中でも看護師による指導の行われていない飲食後の服薬の是非についての正解率が30~40%と低かった.Ⅱの治療については全体の正解率は67.8%であったが,血清尿酸値と尿pHの治療目標値についての設問が看護師による指導は行われていたが,正解率20~40%と低い結果であった.3項目について正解率の違いを治療期間別と年齢別で検討してみたが,通院1年未満の患者でⅠの服薬の正解率が低く,70歳代の患者でⅠの服薬とⅡの治療についての正解率が低い傾向にあったが,いずれも有意な違いではなかった.高尿酸血症・痛風の治療は生涯にわたって継続すべきものであり,良好な治療を継続する上では,医療スタッフによる繰り返しの指導が必要であると考えられた.今回のアンケート結果を参考に患者指導の内容や時期などを 改良した新しい指導計画案を作成した.これをもとに,患者の生活習慣の改善と服薬アドヒアランス向上につなげていきたい.

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© 2018 一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
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