抄録
症例は44歳男性.膜性腎症によるネフローゼ症候群でprednisolone服用中に低尿酸血症を指摘され,1988年5月,低尿酸血症精査のため入院.血清尿酸値は0.7mg/dl,尿酸・クレアチニンクリアランス比は40.4%であり,benzbromaronepyrazinamide負荷試験の結果,尿酸分泌前の再吸収障害による腎性低尿酸血症と考えられた.腎組織所見では,一部の尿細管に硝子滴変性が認められた.諸検査の結果,Fanconi症候群やWilson病は否定され,家族調査にても低尿酸血症の人は認められなかった.本例の低尿酸血症の成因は不明であるが,タンパク尿漏出による二次性の尿細管障害の影響も考えられた.