日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
地方病院の救命救急センター・集中治療部門における薬剤師業務の現状
五味 知之竹村 隆広岡田 邦彦
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2016 年 19 巻 3 号 p. 499-508

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抄録
佐久医療センター(以下,当院)は,2014年3月に専門医療と急性期医療に特化した病院として開院した。救命救急センター・集中治療部門は,3ユニットからなり,開院と同時に専従薬剤師2名と補助1名を配置して業務を行っている。薬品管理,配薬,持参薬確認といった全ユニット共通の業務に加え,GICUでは心臓血管外科チームの一員として,術後内服薬の処方計画の立案等を医師と協働で行い,EICU・救命救急病棟では中毒対応や脳神経外科との連携のもと,遺伝子組み換え組織型プラスミノゲン・アクティベータ(recombinant tissue-type plasminogen activator;rt-PA)の使用や,抗凝固療法中の脳出血に対するプロトロンビン複合体製剤(Prothrombin Complex Concentrate;PCC)の適正使用を支援している。HCUでは周術期術後の患者管理主体の業務を行っている。各ユニットの特徴に合せて介入し,薬物治療の安全性や質の向上に貢献すべく業務を展開している。今後もマンパワー・人材育成等の課題を乗り越え,より積極的に介入することが望まれる。
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© 2016 日本臨床救急医学会
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