痛風と核酸代謝
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心筋の発生分化とAmpd遺伝子群の発現
森崎 隆幸森崎 裕子
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1999 年 23 巻 1 号 p. 11-15

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抄録

AMPデアミナーゼ(AMPD)はプリンヌクレオチドサイクルにおいて重要な役割を果たし, ことに骨格筋, 心筋など収縮性の細胞では収縮ユニットにおいて重要な役割を果たしている. 今回, 心筋の機能と Ampd 遺伝子群の関係を明らかにするために, 心筋の発生,分化とAMPD各遺伝子のRNA発現を検討した. 成熟マウス心筋において発現するAMPD遺伝子は主としてAMPD3であった. マウス心筋発達各段階においてAMPD1遺伝子は殆ど発現せず, AMPD2遺伝子は全ての段階で発現していた. 一方,AMPD3遺伝子は未分化細胞では発現が認められないが, 心筋への分化とともに発現が見られ,胎生後期以降, 発現は高値となっていた. また, ミニブタ各AMPD遺伝子を単離して心筋内各部位における発現を検討したところ, 部位により発現パターンの違いのあることとが明らかとなった. 以上のことより, AMPD遺伝子の発現の変化, ことにAmpd3の発現増加, Ampd1の発現が, 心筋の分化過程さらに部位特異的な機能発現と関連していると考えられる.

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© 一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
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