痛風と核酸代謝
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Allopurinol投与により汎血球減少症をきたしたと思われる腎機能低下・高尿酸血症の1例
高木 和貴中村 徹田中 経雄津谷 寛李 鍾大上田 孝典
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1999 年 23 巻 1 号 p. 17-22

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抄録
高尿酸血症症例に対するBenzbromarone投与時の, 尿中尿酸排泄量のピークと血清尿酸値の急激な低下を予防するため, 我々は予めAllopurinolを投与しこれまで高尿酸血症の良好なコントロールを行ってきた. しかし今回混合型高尿酸血症の症例にAllopurinolを投与後に汎血球減少症を来たし, 同薬を中止することにより骨髄機能の回復を認あた81歳の中等度腎機能障害を示す1例を経験した. Allopurinolによる骨髄抑制の報告は散見されるが, いずれも腎機能障害を示す症例に多く, 重篤な経過が懸念されたため本症例も少量からAllopurinolの投与を始めたが, 症例は高齢で貧血傾向にあり, 体重が34.5kgと小柄であった事とも相まって骨髄抑制を増強したと考えられ, 今後同薬の投与前には患者の腎機能・体重・骨髄機能にいっそう留意する必要があると考えられた.
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© 一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
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