痛風と核酸代謝
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本態性高血圧患者における血漿レニン活性と尿酸排泄率の関連
太田原 顕浜田 紀宏渡部 雅史井川 修久留 一郎重政 千秋
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1999 年 23 巻 2 号 p. 145-150

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抄録
これまで臨床的な観点からレニンーアンギオテンシン系が尿酸排泄に関与しているという報告はこれまでのところなされていない. そこで今回我々は腎障害を有しない本態性高血圧患者を対象に(利尿剤, ACE-I,β遮断剤使用患者は除外)安静時血漿レニン活性, アルドステロン値, 血清および尿中の尿酸, クレアチニン排泄量を測定し, 尿酸クレアチニンクリアランス比を算出した. 低レニン群と正レニン群間では尿酸クレアチニンクリアランス比に差は認められなかった. また年齢, 性差, BMIには有意な差を認めなかった. 高レニン群において尿酸クリアランス比は著名に低下し, 血清尿酸値は上昇傾向にあった. 尿酸排泄率から検討してみると尿酸排泄率が3%以下という著しい尿酸排泄障害患者群では有意にレニン活性が亢進していた. これらの事象は高レニンでの尿酸排泄率の低下に何らかの機序が存在し. 腎障害のない本態性高血圧患者において尿酸排泄率はレニンーアンギオテンシン系の影響を受け, 高レニン性高血圧患者では排泄低下型の高尿酸血症をきたしやすいことを示していると思われる.
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© 一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
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