痛風と尿酸・核酸
Online ISSN : 2435-0095
原著 3
新型コロナウイルス流行禍における痛風患者の実態調査
松原 里奈甲斐 基一小川 邦和荒尾 友里恵加藤 隆司玉置 繁憲田中 郁子
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2021 年 45 巻 2 号 p. 141-147

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抄録

世界的なCOVID-19 pandemicにより人々の生活習慣が変化している.自粛生活やテレワークが普及し,食生活のバランスが乱れ,運動不足,ストレスが増加し,生活習慣病のリスクが増加すると思われる.また高尿酸血症はCOVID-19による死亡の危険因子であると報告された.今回COVID-19流行下での痛風患者の意識の変化と身体測定値,血液検査結果の変化について検討した結果,家にいることが増え,外食が減り,ストレスが増えていた.食事についてはテイクアウトメニューやスナック菓子が増えており,運動に対する意識が高まっている割に,運動量は増えておらず,体重が増えていた.身体測定値と血液検査結果では,BMIが平均25.8 kg/m2→26.2 kg/m2と有意に増加(P<0.001),血清ALT が平均29.7 IU/L→33.3IU/Lと有意に増加(P<0.05)していた.COVID-19流行下において運動に対する意識はあるものの,実際には行動変容には至っておらず,体重増加,脂肪肝の進行を認めた.肥満,体重増加を来さないための行動変容を促す働きかけが必要と考えられた.研究の限界として,COVID-19流行1年以内(2020年7月)に実施したが,2021年9月現在も感染が続き,長期になるに つれて生活への影響も大きくなると考えられ,実施時期が研究結果に影響した可能性がある.また,対象は三重県在住者が多いが,三重県は本研究実施時COVID-19患者がまだ少なくテレワークの患者も少ないことが結果に影響した可能性が考えられた.

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© 2021 一般社団法人日本痛風・尿酸核酸学会
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