日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
アミノ樹脂初期縮合物によるゴムの補強
小枝 幾久雄大野 博茂浦部 勉
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1957 年 30 巻 11 号 p. 827-836

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抄録
天然ゴム、合成ゴムに対しメラミン、尿素、アニリン樹脂初期縮合物を他の配合剤と共に混練すれば加硫前は軟化剤、分散剤として働き次で常法の加硫で樹脂は同時に硬化しゴムの物理的性状を変える。この中で硬度、モジュラスの向上、ゴムの汚染性の点でメラミン樹脂が良いので詳細に検討した。ゴムの一定量に対し充填剤及びメラミン樹脂を変量で添加し混練及び加硫後のゴムの物理的性状を測定した。樹脂量の増加と共に硬度、モジュラスは増す、抗張力は10-20部に最大値が存在する、伸張率は低下する。充填剤なしでも樹脂に依るゴム補強効果があるが充填剤特にカーボンブラック及びホワイトカーボンを併用すると顕著な効果を示す。然し充填剤の量には余り影響されない。予め重合させた樹脂粉末は初期縮合物よりその効果が劣る、これ等の結果について説明し、併せて作用機構について考察した。
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© 一般社団法人 日本ゴム協会
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