1959 年 32 巻 4 号 p. 263-268
本研究第1報にて模型化合物としてテトラリン等を用いたが, 本報では更に他の模型化合物として, アルファピネンまたはアセトフェノンを用いた時の硫化亜鉛生成量を測定してゴムとの類似性を検討し, 併せて亜ヒ酸法による硫化亜鉛分析法を検討してその改良法を提案した. すなわち従来の亜ヒ酸法による滴定の終末点が不明瞭であったのは難溶性の亜ヒ酸亜鉛の生成によるためであることを知り, 緩衝剤として炭酸パリウムを用い, 温時滴定することにより, これを解決することができた. また模型化合物としてアルファピネンまたはアセトフェノンを用いた場合, ゴム用加硫促進剤はテトラリンの場合と同様, 加硫促進作用を示すが, これら加硫促進剤の活性化温度はいずれもゴムまたはテトラリンより高いこと. 従って水素を引抜かれ難いことを知った. またこれち加硫促進剤にステアリン酸を併用した時は, ある温度以下では加硫反応を抑制され, それ以上では促進されることを認めた.