日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
加硫ゴムの大変形挙動に関する研究
古川 淳二岡本 弘稲垣 慎二
著者情報
ジャーナル フリー

1976 年 49 巻 3 号 p. 263-270

詳細
抄録
既に提出した平均鎖によるゴム弾性式は, 加硫ゴムの大変形下における応力-ひずみ挙動をその伸長, 収縮の両曲線に対してよく適合することが分っている.
しかし, 微小変形領域において, 直線からのずれを生じ問題を残している.種々の現象的観測から, このずれを加硫ゴムの内部粘性によるものと見なし, 三要素粘弾性モデル, 及び擬似網目鎖モデルを用いて分子論的に考察した.この結果, 三要素粘弾性モデルによれば, 理論式中に補正項として誘導されたパラメータb及びbは, 内部粘性係数と変形速度に関係するものとなり, これらの依存性を実験的に確かめた.また, 補正項b及びbはMooney-Rivlin式のC2項と比例的な相関関係があることが認められ, C2項の分子論的意味がかなりはっきりした.これらのことは, 高濃度の油展加硫ゴムについてもよく当てはまる.また, 伸長及び収縮曲線に対する補正項bの差, 及びヒステリシス現象などのチクソトロピカルな性質は粘弾性モデルでは説明できない.このため, 分子間力によるからみ合いを二次網目として, その変化を速度論的に解析し, ヒステリシス現象を説明した.
著者関連情報
© 一般社団法人 日本ゴム協会
前の記事 次の記事
feedback
Top