ビス (4-アミノフェニル) ジスルフィドとスチレンのラジカルテロメリ化反応を行い, 両末端にアミノ基を有するオリゴスチレンを合成した.オリゴスチレンの収量及び分子量に対する反応温度, 時間, 開始剤濃度及びスチレンとビス (4-アミノフェニル) ジスルフィドのモル比の影響を検討した.60℃ における連鎖移動定数は0.24であり, 見かけの活性化エネルギーは21.8Kcal/molであった.生成オリゴスチレンは淡黄色粉末であり, その軟化温度は108~124℃ である.
両未端アミンのオリゴスチレンをワンショット法でポリウレタンを合成する際に添加したところ, 引張特性及び熱的特性が大幅に改良された.引張強さはオリゴスチレンの添加量とともに増すが, 応力緩和の測定では最適添加領域が存在し, 5~8重量%であることがわかった.別に合成したスチレン-四塩化炭素オリゴマーではこのような顕著な効果は認められない.したがって本報告で合成したオリゴマ門はポリウレタンの架橋反応に関与し, 架橋剤又は反応性充てん剤として使用することが可能である.