日本草地学会誌
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イタリアンライグラスの品種特性に関する研究 : 第1報春播きによる品種の出穂および草勢の差異
渡辺 徳太木下 東三中島 敏男
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1967 年 13 巻 3 号 p. 167-171

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抄録

1.イタリアンライグラス品種の特性調査研究の一環として,これにウィメラライグラス,ウェスターウオルズライグラスを加えた計63品種または系統を供試し,春播きによる出穂および草勢の差異を調査した。2.出穂についての品種間差異は顕著に認められ,出穂期の差異にもとづいて,全品種を,第1群,1-Wimmera群,第2群,2-Westerwolds群,および第3群に群別した。3.これらの群別は,品種の栽培地域と関係があり,第1群には主として濠州・南米,第2群には主としてわが国内地,第3群には主として欧州系の品種が含まれた。4.これらの群別は,別の調査による内地の通常の秋播き栽培における品種の生育特性とも関係があり,群ごとに,およそ,その特性を異にすることがうかがわれた。5.草勢についても明瞭な品種間差異が認められ,ことに品種の出穂特性との間に密接な関係がみられた。出穂期の群別にみると,第1群の品種は,初期の草勢はややよいが,盛夏にはほとんど枯死し,第3群の品種は,初期は僅かに劣るが,その後の草勢は優り,第2群の品種は,およそ,両者の中間の傾向を示した。この結果は,上記の群別に対して一つの実用的意義を与えるものとみられた。

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© 1967 著者
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