日本草地学会誌
Online ISSN : 2188-6555
Print ISSN : 0447-5933
ISSN-L : 0447-5933
ラジノクローバの生育度および環境要因と汚斑病発生との関係
飯田 格高橋 広治
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

1967 年 13 巻 3 号 p. 199-204

詳細
抄録

本論文はラジノクローバTrifolium repens L.の汚斑病(Curvularia trifolii (KAUFF.) BOEDIJN)の発病と環境要因およびラジノクローバの生育度との関係について行なった実験結果の報告である。1.汚斑病菌分生胞子の発芽は15℃から37.5℃の範囲で行なわれ,30℃において最高の発芽率を示した。菌糸発育は25〜30℃の間で良好であって,27.5℃で最高の発育を示した。2.病原菌分生胞子の発芽および菌糸の発育は光線によってほとんど影響されない。3.15℃から38℃の広い温度範囲で発病し,25〜30℃において高い発病率を示す。4.暗黒下では病原菌の侵入が促進される。5.病原菌接種前に1-2日間植物体を湿潤状態に保つと発病が増大する。6.刈取り後20℃〜25℃で再生した葉は軟弱であって,10℃において再生したものよりも高い発病を示した。7.幼苗期には生育度の進むにしたがって発病が増大する。8.成体における小葉の発病は,新葉において高く,古い葉において低い。しかし株の新旧による差は見られない。

著者関連情報
© 1967 著者
前の記事 次の記事
feedback
Top