日本草地学会誌
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マメ科牧草の根に関する研究 : 第4報白クローバの品種による節根の生育のちがいが主根の代替性に及ぼす影響
上野 昌彦吉原 潔
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1967 年 13 巻 3 号 p. 195-198

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抄録

生育型のちがった白クローバ5品種,OREGON Ladino,Witte Cultuurklaver,Welsh S-100,Kersey,Wilkla Witte Weideklaverを供試して各品種の節根の生育のちがいと主根が消失した場合に発生する株の基部周辺の地上部の枯れあがり程度との関係をしらべた。砂耕による幼植物の地上部と根の相対生長の関係をみると,LadinoやWitteでは地上部に比べ根の生育に重点をおく生育特性を示したがWilklaは逆の特性を示した。株の基部周辺の節間長を調べた結果では品種の間に差が認められ,Wilklaがもっとも長い節間をもっていた。また株附近の節根の平均重量でも,この品種が極端に少なかった。主根を株の直下で切除して地上部の枯れあがりに及ぼす影響をみると,Kersey,Wilklaの枯れあがりがひどく,Ladino. Witteなどはあまり影響をうけなかった。これらの結果から主根が欠除した場合には株の基部附近の節間がよくつまり,根の生育の良好な品種ほど,その影響をうけにくいことがわかった。

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© 1967 著者
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