日本草地学会誌
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ラジノクローバ草地の晩秋の乾物生産
酒井 博川鍋 祐夫藤原 勝見
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1969 年 15 巻 1 号 p. 53-58

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抄録
ラジノクローバ草地における晩秋の物質生産を,刈取り直後のもの(対照区)とその22日前に刈ったもの高(LAI)区で比較調査した。1.対照区は刈取りを受けたが,その再生は順調で,刈取りを受けない高LAI区とほぼ同じような速さで葉重および葉面積の増加がみられた。2.高LAI区は,根およびほふく茎の乾物重とほふく茎の乾物率の増加が早くから進み,蓄積量が多かった。3.霜および強風雨の害を受けた後,LAIおよびNARが低下し,従ってCGRも低くなった。とくに高LAI区の被害が大きかった。4.高LAI区は,LAIの高い割合にNARの低下が少なく,従って高いCGRを示した。5.以上のことから,秋に一時休牧または刈取り間隔を延長し,高いLAIの草地として,それを晩秋霜のくる前に利用することは物質生産上有利なことと考える。
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© 1969 著者
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