日本草地学会誌
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高冷地におけるアルファルファの乾物生産
石田 良作川鍋 祐夫及川 棟雄牛山 正昭
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1970 年 16 巻 4 号 p. 268-274

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抄録

高冷地におけるアルファルファの乾物生産について検討するため,6月4日より59日間,9月4日より57日間,刈取の高さを7cm,15cmの2段階とし,7〜14日ごとに8回掘取調査した。1.調査期間中の乾物増加量は6〜7月503〜515g/m^2,9〜10月209〜341g/m^2で,RGR,CGRとも6〜7月が大であった。2. 6〜7月に乾物増加量が大であったのは,RLGR,最高のLAIともに6〜7月が大で,またNARも9〜10月に比べ,6〜7月が極めて大きかったことによる。3. NARが秋に低い理由は,一つは日射量日照時間ともに少ないことによるが(NAR=1/F・dw/dtのdtを日数とせず,日照時間とすると,6,9月の差は縮まる),昼間の気温の積算値が極めて少なかったことが大きいと考えられる。4. 15cm刈に比べて7cm刈は,刈取に伴なう株根の乾物の減少が大きく,残葉LAIも少なく,再生初期の生育は劣った。しかし刈取間隔が長い場合,両者の生育差は縮まり年間収量も大差なかたた。刈取間隔が短かい場合は7cm刈が不利と考えられた。5.生産された乾物の各器官への分配率は,6月,9月とも大きな差はみられなかった。

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© 1970 著者
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