抄録
同一の材料を用いても,埋蔵密度が異るとサイレージの発酵的品質に差を生ずるが,このことがサイレージの消化率および窒素の利用性にも影響するかどうかを検討するため,イタリアンライグラス生草および予乾草を用い,埋蔵密度を600kg/m^3(大)および300kg/m^3(小)の2段階としてサイレージを調製し,山羊6頭を用いて全糞採取法により消化試験を行なうとともに窒素出納を調べた。高水分サイレージの発酵的品質は埋蔵密度(大)のほうがはるかにすぐれたが,予乾サイレージでは埋蔵密度間の品質差は大きくなく,いずれも良質であった。高水分サイレージにおける乾物,粗蛋白質,可溶無窒素物および粗繊維の消化率,および予乾サイレージにおける粗蛋白質,可溶無窒素物および粗繊維の消化率はいずれも埋蔵密度(大)のほうが高く,サイレージのDCPおよびTDN含量も,高水分,予乾のいずれにおいても埋蔵密度(大)のほうが高くなった。サイレージ摂取時の蓄積窒素量および窒素蓄積率(対摂取窒素および対可消化窒素)は高水分および予乾のいずれにおいても埋蔵密度(大)のほうが高かった。