日本草地学会誌
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オーチャードグラスの主要成分含有率の品種間変異および成分含有率と嗜好性の関係
雑賀 優川端 習太郎
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1975 年 21 巻 4 号 p. 238-244

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抄録
オーチャードグラス品種の成分分析を年間7回の各放牧期で行い,品種間の変異を調べると共に,それらの成分と嗜好性の関係をみた。可溶性炭水化物含有率ではHera,Pennlateが高く,S143,S345が低い値を示した。粗蛋白質含有率ではChinookは生育シーズンが進むにしたがって高くなり,逆にS143,S345は低くなる傾向がみられた。粗繊維含有率ではPennlateが大部分の放牧期で低く,S345は高い値を示した。Chinookは生育シーズンが進むにしたがって低くなり,S143は逆に高くなる傾向がみられた。消化率は前述の3成分と比較して品種間変異の小さい形質であったが,7回の放牧期の平均値で最高のHeraと最低のS143との間には4.4%の差が認められた。採食率とこれらの成分含有率との相関は,第5回放牧期(8月中旬)または第6回(9月中旬)以後が高く,可溶性炭水化物および消化率との間には正の相関,粗繊維との間には負の相関がみられたが,粗蛋白質との間には一定の傾向はみられなかった。2成分の組合せでは,可溶性炭水化物と粗繊維の組合せで採食率との間に最も高い相関が得られた。
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© 1975 著者
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