日本草地学会誌
Online ISSN : 2188-6555
Print ISSN : 0447-5933
ISSN-L : 0447-5933
とうもろこし早生品種「ヘイゲンワセ」の生育にともなう飼料価値の変化
阿部 亮名久井 忠櫛引 英男岩崎 薫早川 政市仲野 博之
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

1977 年 23 巻 1 号 p. 77-83

詳細
抄録

とうもろこし早生品種「ヘイゲンワセ」の生育にともなう化学成分含量の変化を観察した。また,糊熟後期,完熟期,過熟期の3つの熟期でサイレージを調製し,緬羊による消化試験を実施した。その結果,次の様な所見を得た。1.子実の化学成分含量から見た諸性質は黄熟後期にいたる迄変化し,それ以降は変わらない。2.全植物体の粗蛋白質含量は熟期にともなって減少するが黄熟後期以降は一定となり,その値は7%程度である。そして,全粗蛋白質中に占める子実粗蛋白質の割合は熟期とともに増加し過熟期では70%を越えていた。3.セルラーゼ法によって得た可消化乾物含量の値では水熟期から過熟期にいたる迄,67%前後で変化は認められないが,その中のデンプン濃度が増加する。4.3つの熟期のサイレージでは完熟期のTDN含量が最も高かったが,糊熟後期のサイレージとの間には有意な差はなかった。また,糊熟後期のサイレージではDCP含量が5%を越えるが,完・過熟期のサイレージでは3%に満たない。5.乾物・TDN収量とも完熟期が最も高い値を示していた。

著者関連情報
© 1977 著者
前の記事 次の記事
feedback
Top