日本草地学会誌
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飼料用トウモロコシの栽培環境と生産性 : I.トウモロコシの気象生産力の地域間差
窪田 文武植田 精一
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1981 年 27 巻 2 号 p. 167-173

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抄録
北海道における気象条件,トウモロコシの気象生産力を世界の主要生産地帯のそれらと比較し,トウモロコシ生産地帯としての北海道の位置づけ,評価をおこなった。(1)北海道におけるトウモロコシの気象生産力は,コーンベルトの気象生産力よりもかなり低く,例えば,札幌の気象生産力はMoline(コーンベルトの中心点)の約1/2であった。(2)北海道におけるトウモロコシの気象生産力(札幌の気象生産力を100とした場合の指数)には,大きな地域間差(110〜30)があった。特に,東部,北部で低い値が示された。(3)札幌とMolineの気象条件を比較すると,札幌の気温は低く,夏期にようやくトウモロコシの生育適温に達する状態にあった。これに対して,Molineでは,生育適温期が長く,3ヵ月に及んだ。Molineの日射量は,LAIが高まる生育中期に最大値が得られるのに対し,札幌では,LAIが低い春期の日射量が高く,LAIが高まる生育中期には,日射量は低下する傾向にあった。また,降水量は,Molineでは,春,発芽,初期生育期に多く,秋,収穫期に少なくなる季節変化を示すのに対し,札幌では,春に少なく,秋に多くなる型を示した。このように,札幌の気象条件の季節変化と,トウモロコシの生育パターンとは物質生産的に有利な組み合せではないことが示された。
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© 1981 著者
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