1985 年 31 巻 1 号 p. 6-10
グリーンパニックの種子について,はく皮処理(包えい及び不稔花の除去)の効果及び実用化の可能性について検討した。種子齢にかかわらずはく皮処理により発芽率は高まり発芽が早くなった。しかしその改善の程度は種子齢が進むにつれて減少した。はく皮処理は,15℃の照明条件下では効果を確認できなかったが,15℃の暗黒条件及び30℃の明暗両条件で発芽を改善し,また塩類濃度による発芽障害及び土壌の低水分による出芽障害を軽減するなど,実用的意義が認められた。はく皮処理の効果は,発芽のための水分や酸素の供給の円滑化によるのでなく,包被中に含まれる発芽抑制物質の除去によるものと推定された。