1985 年 31 巻 1 号 p. 11-15
グリーンパニックの種子に対し,水中浸漬処理,乾熱処理(30℃貯蔵)及びはく皮処理のうち2処理ずつを組合わせて施し,その発芽への影響を調査した。水中浸漬処理とはく皮処理には発芽抑制物質の除去という共通点が考えられたが,はく皮処理の効果は水中浸漬処理よりも勝り,はく皮処理は水溶性でない発芽抑制物質をも除去すると推定された。登熟時に多雨・低温等を経た種子には水中浸漬処理の効果が負に現れることがあり,それは特にはく皮処理を施した場合に著しかった。乾熱処理は他の2処理とは異なる作用によって効果を現わすと考えられ,この処理にはく皮処理を組合わせると著しい発芽改善効果を示した。