日本草地学会誌
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濃厚飼料の補給が山羊によるライ麦サイレージの栄養価と窒素及びエネルギー出納に及ぼす影響
文 相鎬永西 修広田 秀憲
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1993 年 39 巻 2 号 p. 216-224

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抄録
ライ麦サイレージの飼料価値を明らかにするため,自由採食下の山羊における濃厚飼料の補給が栄養価と窒素及びエネルギー出納に及ぼす影響について濃厚飼料を各々体重の0,0.1,0.5及び1%の水準で給与し検討した。窒素摂取,可消化窒素及び糞中窒素は濃厚飼料の給与水準の増加につれて高くなり,体重の0.5と1%給与区ではサイレージのみの給与区と0.1%給与区との間に有意な差が認められた(p<0.05)。蓄積窒素は0%区で0.3g,0.1%区で-0.1g,0.5%区で1.5g及び1%区で1.1g/dayとなり,濃厚飼料の給与量によって有意に増加した(p<0.05)。一方,蓄積窒素は窒素摂取量,可消化窒素量及び糞中窒素量と有意な相関関係を示したが尿中窒素量とは認められなかった。濃厚飼料補給水準によるGEとDEは処理間に有意な差が認められなかったが,MEは有意に増加した(p<0.05)。TDN及びDCPはMEと同様な傾向を示した。代謝体重当りのエネルギー摂取量は濃厚飼料0.5と1%給与区で有意に増加した。エネルギー損失はメタンによる損失を除き処理間に優位な差は認められなく,熱発生と糞中エネルギーが主な損失源となった。蓄積エネルギーは濃厚飼料補給水準の増加につれて有意に改善され,体重の0.5と1%補給区では正のバランスとなった。以上の結果により,ライ麦サイレージを摂取している山羊において栄養価と窒素及びエネルギー出納に対する濃厚飼料補給の効果は明確であり,ライ麦サイレージを給与する場合山羊の体維持のため,約0.5%程度の濃厚飼料の補給は必要であろうと思われた。
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© 1993 著者
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