異なる刈取り高さ(2,7,12,17および22cm)で管理されたバヒアグラス草地において,茎(分げつ)数,ほふく茎長ならびに1次根数といった草地密度に関する特徴を調査し,それらの動態について,いくつかの観点より解析した。刈取り高さに対する有意な反応が連続して現れるまでに,茎数では約3ヵ月,ほふく茎長さと1次根数では1年間を必要とした(図1)。有意な反応が見られた時,茎数,ほふく茎長および1次根数は,刈取り高さの低下に伴って増加する傾向を示した。茎数,ほふく茎長および1次根数の間には有意な正の相関が見られ(図2),原点を通る直線回帰によると,5つの刈取り高さの草地の平均で,1mmのほふく茎が0.022本の茎と0.318本の1次根に,1本の茎が12.24本の1次根に相当した。茎数,ほふく茎長および1次根数の増加速度(図3)は,対応する植物体部位の乾物増加速度が0の時,ほとんど0であった(図4)。一方,乾物増加速度が上昇するに伴い,茎数,ほふく茎長および1次根数の増加速度は,低刈り条件下の草地ほど急激に上昇した。密度の増加に必要な刈取り高さは,茎数では7cm未満,ほふく茎長では22cm未満,1次根数では12cm未満であった(図5)。得られた結果を他の草地における結果と比較することにより,まず,実験に用いたバヒアグラス草地の特徴を明らかにした。次に,バヒアグラス草地における茎数,ほふく茎長および1次根数の動態を理解,制御するうえでの,本研究結果の有用性について考察した。
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