イヌビエ(Echinochloa crus-galli (L.) Beauv.)とメヒシバ(Digitaria adscendens (H.B.K.) Henr.)の休眠覚醒処理をした種子の発芽に及ぼす温度と光の影響およびその相互作用について調査した。2草種の発芽には光が促進的に働き、その影響は発芽適温よりも低温度条件下で大きかった。また1日10分という短時間の自然光の照射でさえ2草種の発芽を大きく捉進させた。変温は2草種の発芽に促進的に働いたか,その影響が現れるには,ある一定の変温幅か必要であった。しかしながら適温あるいは変温といった2草種の発芽に好適な温度条件下では光がほとんどなくとも発芽は見られ,逆に光が十分あれば低温あるいは恒温条件下でも発芽した。これらのことから光や変温は2草種の発芽を促進させるが,発芽に本質的に必要な条件ではなく,発芽が不適な条件に置かれた場合,補償的に働いていると考えられる。