2003 年 49 巻 1 号 p. 33-37
バヒアグラスの形質転換系を確立するために,小粒状カルスの効率的な誘導法および遺伝子導入条件について検討した。固形および液体培地誘導法によりカルス誘導を行ったところ,液体培地誘導法において短期間で効率的にカルスが形成され、多くの植物体を再生させることができた。また,液体培地誘導法により得られた小粒状カルスを用いて0.6Mの浸透圧処理を行うことで,従来のカルスよりも高い一過的GUS発現を得ることができた。さらに、barおよびGUS遺伝子を保持するプラスミドpDBIを用いて形質転換を行ったところ、2個の形質転換カルスが得られたか、再分化した個体は全てアルヒノであった。しかしながら、これらの再分化アルビノ個体ではGUS発現が認められ,PCRによって導入遺伝子のbar(402bp)およびGUS遺伝子断片(1.1kbp)を検出することができたことから,本手法はバヒアグラスに十分適用できるものと考えられた。