日本草地学会誌
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羊草(Aneurolepidium chinense (Trin.) Kitag.)の耐塩性機構の解明 : 1.浸透圧調節による可能性
連 峰山本 紳朗
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2007 年 53 巻 3 号 p. 215-220

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抄録
羊草(Aneurolepidium chinense (Trin.) Kitag.)は中国の内モンゴルを中心に分布し,耐塩性が極めて強い。このため,砂漠の回復に有用と考えられる。本研究では,羊草の耐塩性が浸透圧調節に起因しているのかについて,耐塩性中庸のペレニアルライグラスおよび塩感受性のメドウフェスクと比較することにより調べた。根の浸透圧は,塩処理により羊草では2.1倍に増加し,他の2草種では2.1-2.2倍に増加した。この増加は,3草種とも主としてNa,Clの増加に起因した。他方,K濃度は処理により羊草ではおよそ30%低下し,他の2草種ではおよそ60%低下した。地上部の浸透圧は,処理により羊草では変化せず,他の2草種では1.3-1.5倍に増加した。以上の結果から,羊草の耐塩性が強いのは浸透圧調節に起因しないものと考えられる。また,羊草の根では塩によるKの減少は少ないことが明らかになった。
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© 2007 著者
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