日本草地学会誌
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NH_4^+とNO_3^-の窒素形態の違いがアルファルファ(Medicago sativa L.)の生育,養分吸収に与える影響
廣瀬 大介
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2008 年 54 巻 2 号 p. 123-127

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抄録

アルファルファに10ppm, 20ppm, 30ppm, 40ppmのアンモニア態窒素と硝酸態窒素を施用してそれぞれの生育,根長および根のペルオキシダーゼ活性を比較した。乾物重と根長は,窒素濃度20ppmまではアンモニア態窒素施用の方が硝酸態窒素施用より有意に重く,長くなったが,30ppmと40ppmでは,いずれも両窒素施用に差は見られなかった。また,30ppm以上では比根長は硝酸態窒素施用の方が大きくなった。根のペルオキシダーセ活性は,いずれの濃度も播種後40日目まではアンモニア態窒素施用の方が有意に高い値を示した。また,アンモニア態窒素施用,硝酸態窒素施用のいずれも他の濃度に比べ, 20ppmのペルオキシダーゼ活性が最も高い値を示した。これらのことから,窒素濃度30ppm以上においてアンモニア態窒素施用の方が硝酸態窒素施用に比べ,根系発達が劣ったのは,窒素吸収能力の差に一因があると推察された。

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© 2008 著者
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