日本草地学会誌
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研究報告
関東地域におけるトウモロコシ(Zea mays L.)二期作適地の近年の状況と今後の変化予測
菅野 勉森田 聡一郎佐々木 寛幸西村 和志
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2014 年 60 巻 3 号 p. 161-166

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抄録

関東地域におけるトウモロコシ二期作栽培適地の近年の変化を把握するため,関東地域の全3次メッシュ(約1km × 1km)について,4月から12月の10°C基準の有効積算温度の10か年ごとの平均値を算出した。二期作適地はこの期間の有効積算気温が2,300°C以上となるメッシュとして識別した。関東地域の1980年代,1990年代および2000年代のトウモロコシ二期作適地の割合はそれぞれ2.6%,13.8%および20.0%であり,二期作の適地は徐々に拡大していた。次に,気象庁気象研究所のMRIモデルを用いて,関東地域における2080年代までの上昇温度を予測した。1980年代と1990年代の平均気温に比較し,2040年代および2080年代にはそれぞれ1.2°C,2.3°C上昇するものと予測された。これらの結果から,2040年代には関東地域の全メッシュ数の44%が,2080年代には同じく約60%が二期作の適地となることが予測された。

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© 2014 日本草地学会
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