2種類の有害物質の含量が低い国産ナタネ(Brassica napus L.)品種「キラリボシ」の搾油粕(国産ダブルローナタネ粕)について,泌乳牛用飼料としての特性およびその給与効果を検討した。圧搾法による国産ダブルローナタネ粕の飼料成分を輸入ナタネ粕および大豆粕の標準値と比較したところ,粗脂肪含量がきわめて多く粗蛋白質(CP)含量は少なかった。一方,可消化養分総量含量は,大豆粕の標準値と同程度であった。CPはルーメン内で大豆粕より速やかに分解された。これらの特性を考慮した飼料設計に基づき,乳牛8頭をクロスオーバー法により飼養した結果,飼料中約8%(乾物ベース)の大豆粕の半量を供試ナタネ粕で代替しても,飼料の消化性,泌乳成績,エネルギー・脂質・蛋白質代謝や肝機能に負の影響は認められなかった。