抄録
有傷接種法を用いたFusarium graminearum s.str.によるトウモロコシ赤かび病の抵抗性検定法の北海道向けサイレージ用とうもろこし品種(相対熟度73-80)への適用性を明らかにするために,接種胞子濃度および接種時期が発病度に及ぼす影響を検討するとともに,発病度とデオキシニバレノール(DON)蓄積との関連を解析した。その結果,絹糸抽出10-15日後に,1-5 × 105/mlの胞子懸濁液を接種することにより,赤かび病抵抗性の品種間差を検出することができた。発病度とDON濃度の間には高い正の相関関係(P < 0.01)が認められたが,同程度の発病度でもDON蓄積量が多い品種が見られ,DON蓄積性の評価も合わせて実施する必要があると推定した。