日本草地学会誌
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研究報告
不耕起対応トウモロコシ高速播種機の開発
2.高速高精度種子繰出装置の性能
橘 保宏川出 哲生志藤 博克平田 晃
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2014 年 60 巻 3 号 p. 206-212

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抄録

著者らは,第1報で報告した高速高精度種子繰出装置(開発装置)に飼料用トウモロコシ種子を供試し,目皿の傾斜角,繰出速度および種子の長短径比(長径/短径)が分離精度に与える影響を調べる分離試験を行った。さらに,開発装置の地面に向けた種子放出の適応性を調べるため,開発装置とスリットの組み合わせで構成される放出試験装置を供試し,放出試験を行った。分離試験の結果,目皿傾斜角が42-58°の範囲で1粒率は98%前後であった。繰出速度の範囲4-12回/sで1粒率への影響は小さかった。種子の長短径比は,値が大きいほど1粒率が低下した。放出試験の結果,繰出速度を4-12回/sに設定し,作業速度を2.16m/s,播種間隔を18cmと仮定したとき,種子が地面に到達するまでの時間と水平距離から計算した播種間隔の標準偏差は,概ね1.5-3cmであった。開発装置の性能は,実用上問題のないレベルであると示唆された。

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© 2014 日本草地学会
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