2019 年 65 巻 3 号 p. 195-203
分離給与条件における泌乳牛への籾米サイレージの最大可能給与量を検討するために,in situ法により調製方法の違いが第一胃内乾物消失率に与える影響を明らかにするとともに,泌乳前期から後期の牛9頭を供試し,全飼料中の20%に当たる籾米サイレージを1日2回,または4回に分けて給与する飼養試験を行った。籾米はサイレージ調製により,また破砕粒度を細かくすることにより培養初期の第一胃内乾物消失率が高まった。乾物摂取量,乳量,乳成分などの飼養成績,第一胃液や血液の性状に飼料や給与方法による影響は認められなかったが,2頭で籾米サイレージを完食できない日が確認された。これらの結果から,分離給与条件における籾米サイレージの最大可能給与量は全飼料中の20%程度であると推察された。