シバ草地の群落地上部の生草量に対する放牧処理の効果を明らかにするため,シバ草地の生草量の15年間の季節動態が放牧処理条件の変動とともに示された。放牧期間中の生草量に影響する要因が線形混合効果モデルにより解析された。長期研究の結果は,年ごとの処理条件と放牧履歴により生草量が変動することを示した。線形混合効果モデルは,放牧処理にともなう各要因のシバ草地の生草量に対する放牧効果を定量的に示した。放牧圧が1200 kg BW ha-1以下では,生草量は放牧圧の増加とともに減少し,季節や植物の多様性により負の効果,放牧開始時生草量により正の効果を受けた。放牧圧が1200 kg BW ha-1を超えると生草量は放牧圧と関係なく低い水準で維持され,季節により負の効果,放牧開始生草量により正の効果を受けた。